おかず書評①【イシューからはじめよ】有限な時間をフルに活かす方法

2021-10-10読書・書評

イシューから始めよ

知的生産のシンプルな本質


【僕がこの本の帯キャッチを書くなら!!】

本質的な解決に直結する問題を『見極める方法』、あなたは知っていますか?
数ある問題の中から本当に答えを出すべき問題は実に1%。
今すぐ徒労を辞めて、持てる時間を価値あることにフルコミットしよう!

【こんな悩みや課題に効果的】

・課題を解決したと思っていたのに問題解決に至らない
・途中で方向が間違ってることに気づいてやり直すことが多い
・正しい手順が判らず、何をするにもとにかく時間がかかる

【あらすじ、本の構成、読みやすさの説明】

生産性の圧倒的に高い人と、そうでない人の違いは何か?
一言でいうと、問題解決に至るアプローチです。

タイトルにあるイシューとは、『今本当に答えを出すべき問題』のこと。
目の前に100ある問題のうち、解くことで本質的な解決になるものは、実は1~2つ。
それをしっかり考えたうえで見極め、仮説を立ててから取り組むことが、最終的にかける総時間も短くアウトプットの質も高くなる。

つまり、
時間を投下すべき問題を見極め、一発でたどり着いてフルコミットすることで、効率を最大にする。
その結果、『時間の使い方、自身の仕事の効率、活動の効果』が正のスパイラルに変わっていく。
ということですね。

本書はよくあるハウツー本ではなく、物事に向かう姿勢や目線を説いています。

例えばフレームワークの使い方を知っていても、それはあくまでツールでしかなく問題の構造や狙うべき市場を整理するものに過ぎない。
恥ずかしながら僕も、『フレームワークで整理は出来てもアウトプットに活かせていない』という評価を受けたことがあります。。。

要は、問題の本質にアプローチ出来ていない。順番を間違えてたんですね。
イシューを決めずに課題に取り組んでいたことで、分析結果に右往左往してしまい、どこに向かっていたのかも分からなくなっていたんです。

やってもやっても結果に結びつかない犬の道。
人生の時間は限られているのに、遠回りばかりしていました。

本書に出会ったことで、これまで意思決定の場面において流されるままに決まっていた事案に対して、本当にそのアプローチで望んでいる答えが手に入るのか?他の視点・選択肢は本当にない?と疑問を持って対峙するようになりました。

本の構成

1.問題を解く前に見極める
2.仮説を立てる
3.分析・検証を行う
4.伝えるための仕上げ

このような章立てで、各手順に何をどのように考えるのか、事例を踏まえて詳しく書かれています。

一部を抜粋して紹介すると

〇悩むと考えるの違い
悩む:答えが出ない前提で、際限なく考え続けること
考える:答えが出る前提で、建設的に考えを組み立てること
悩んでいる時間ほど無駄なものはない。今どっちなのかを客観的に自覚すること。

〇徹底的に言葉にする
言葉にすることでしか、概念を表現できない。
言葉にしてみたときに詰まる部分が、まだイシューとして定まっていない部分。

〇情報を集めすぎる事は逆効果
ある一定の量を超えると、そこから得られる知恵や学びが伸びなくなる。
そうなった時点で、<情報量=選択肢の量=迷いの種>に変化し、マイナスに作用する。

このように、知的生産(伝わる資料作りや研究論文など)の重要なポイントが山盛りです。
図解なども沢山掲載されているので、作業に迷いが生じたときに立ち返る事もできます。
「何度でも読み直して使える、問題解決アプローチのバイブル」と言える良書です!

【一番刺さったのはココ!】

市場を理解せず、自分たちの都合だけを踏まえた事業計画は山ほどある。
そういう柱の欠けた建築物は、建った瞬間に倒壊する。

僕は今、新しい事業の立ち上げに携わって二年目です。
R&Dとして、長期目線で多額の投資をしたはずが、株主や親会社から求められる「業績」の文脈に押され、
夢の予算計画を毎年立てて、圧倒的な惨敗。自分の立場も相まって、ここが一番グッときましたね笑
答えありきではなく、イシューの見極めから入らないと、結果も本末転倒になる良い例でした。

【まとめ】

何かしらの問題と向き合う際に大事なのは、本当に答えを出す価値のある問題かどうかです。
そこが固まっていれば、目的が明確になり、ブレずに全力を投下できる。
結果、遠回りせず一発で目的地にたどり着き、かつ効果的な解が出せるようになります。

手順やフレームワークは本書に余すことなく載っているので、全部覚える必要はなし。
困ったら自分の現在地に見合った章をパラパラ見返すことで、また路線に戻れます。

大学生からビジネスパーソンに至るまで、考え方の常識を変えてきた「イシューからはじめよ」
読者のみなさまも是非手に取って頂き、限りある時間を有効に使うヒントにして頂ければと思います!

【あとがき】

正直、書評の一発目にこの本を選んだことに若干ヒヨってます。
40万部を超えるロング&ベストセラーであり、多くのビジネスパーソンに気づきを与えてきた良書です。

この本をきっかけに、仕事に取り組む姿勢を大きく変えた人も多いはず。
もともと考えの浅い僕に、本書の書評が出来るかな?と不安でしたが、主観と勢いでまずは書ききってみることにしました。

構成も章立てもなく、書き殴っただけの失礼な文章で失礼しました。
書き方なんかももっと勉強して、読みやすい文章にしていきますので、初版としてお許しを。

ちなみに、この本はオーディオブックで通勤時間を利用して聴いたのですが、書評を書く為に3回聞き直しましたね(笑)この時点で既に本書を活かせてないのでは?というご指摘は甘んじてお受けします。
朗読だと文脈の前後が読み取りにくいのと、掲載されている図解を見るのにいちいち操作が必要なので、この本は断然紙か電子版をお勧めします!

【著者について】
著者:安宅和人
経歴:脳科学研究者×マッキンゼーコンサル×ヤフー経営者(CSO)
著書:「シン・ニホン」
   「知性の核心は知覚にある」
   「ビッグデータ探偵団」

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Posted by 7korobi8oki