おかず書評⑰【「自己肯定感低めの人」のための本】

読書・書評

【はじめに】

自己肯定感。
コロナで世の中がストップしてから聞くことの増えたフレーズのひとつ。

低いから高めなきゃとか、上げるメソッドの紹介
世の中にはそういった啓発本が溢れてますよね。

○○すれば自己肯定感が上がる!的な。

そんなノリに少し違和感を覚えてたことと、「僕なんて」って言葉をよく使っていた
部下に、否定せず自信を持ってもらいたかった
こと。

そんなきっかけで、本書を手にとってみました!

【こんな悩みや課題に効果的】

・やると決めたことをやれなくていつも凹む
・キラキラしてる周りを見て気持ちがざわつく
・何をしても上手く行かない自分が嫌になる
こんな感覚に心当たりがあって、何とかしたいと思ってる方にピッタリ!

【僕がこの本の帯キャッチを書くなら!!】

自分を肯定できないことは辛さしか生まない。
否定してしまうのはメンタルノイズが原因で解消できる!
ノイズを正しく理解して、ありのままの自分を受け入れろ!!

【あらすじ、本の構成】

そもそも「自己肯定感」とは、自尊心やとは関係ない。
ありのままの自分を認めるということだ。
出来ない自分が嫌だ、周りと比べて劣ってる。
そんな風に自分を責めて、どんどん負のループに陥ってしまうと辛いよね。

では何が、自分を否定的に見せてしまう原因なのか?
答えは過去の経験から来る心のクセ(ノイズ)

ノイズは無意識の中で思考をコントロールしていて、事あるごとに発動して判断に
効いてくる。その結果、本当に望んでる結果と違う方向に行ってしまうことも。

ではノイズとは何なのか?
自己肯定感にどんな影響を与えるのか?

本書では、そのメカニズムを徹底解説してくれます!

本の構成

はじめに
1.己肯定感が低い原因は、メンタルノイズ
2.あなたのノイズはどれ?14タイプのノイズ診断
3.日常で発動するノイズに気づく「裏表思考法」
4.1分でできる!ノイズに邪魔されない心をつくる10の「ノイキャン」エクササイズ
5.メンタルノイズを手放せば誰でも幸せになれる
おわりに

このような章立て。

ノイズが作られる要因は、過去の原体験がきっかけ。

幼少期に叱られたり褒められたり、親や友達との関係の中で培われた価値観や感情
それらが深層心理としてしっかり根付いてるんですね。

その結果、現在の暮らしの中でも至る所でノイズが働いて、望まない方向に行って
しまったりする場合があります。
でも大丈夫。ノイズを理解するだけで、ハッキリしなかった心のざわつきの正体が
見えてきて、受け入れることが出来る
ようになります。

また、自分を認められないことが『幸せじゃない状態』だとするならば、ノイズに
支配されている自分を受け入れるきっかけが見つかる事に繋がります!

メンタルノイズには下記のように、14のタイプがあると本書では説明しています。
そして、ノイズを見える化する技術やキャンセルする技術も存在する。

最終的には、ノイズを手放すことで『幸せな状態を手に入れることが出来る』事が
本書で一番強調したい考え方なのです!

ノイズは『幼少の経験からくる自己防衛』が関係しているが、大人になった今では
もうノイズに守ってもらわなくても大丈夫。
手放して、ノイズに感謝することで心が楽になり、幸せを手に入れることが出来る!

<あなたのノイズがわかる14タイプのノイズ>
1.ダメ出しノイズ(自分は重要でないほうがいい)
2.ありのままの自分封印ノイズ(自分のままでいないほうがいい)
3.思考停止ノイズ(自分は考えないほうがいい)
4.他人ファーストノイズ(欲しがらないほうがいい)
5.謙虚謙遜ノイズ(受け取らないほうがいい)
6.出ない杭ノイズ(達成しないほうがいい)
7.石の上にも三年ノイズ(がまんしたほうがいい)
8.他人がこわい裏切りノイズ(信用しないほうがいい)
9.ちゃんとしなきゃノイズ(子どもでないほうがいい)
10.幸福恐怖症ノイズ(幸せにならないほうがいい)
11.完璧主義ノイズ(完璧でないといけない)
12.タイムイズマネーノイズ(急がないといけない)
13.おもてなしノイズ(喜ばせないといけない)
14.ドMノイズ(努力しないといけない)

一部を抜粋して紹介すると

〇思考停止ノイズ
【特徴】
自分で決めるのが苦手。決断できない。結論が出ない。
どうしたい?の答えが出ない。遅いからチャンスを逃す。
何でもパパッと決めるひとと比べてその都度落ち込む。
【思考】
自分が考えたり決めたりしない方が上手く行くと思い込んでいる。
何でも他人が決めてくれる環境で育ち、自分の意見は大事じゃない。
考えなくていいと刷り込んでしまう。自分で考えない心のクセ。
【解決策】
全てを疑ってみる。
思考停止は自分停止、自分停止は人生停止。それって楽しい?

〇幸福恐怖症ノイズ
【特徴】
良いことがあると不安になる。長い休みが怖い。
なにもしていないと罪悪感。幸せは長く続かない。
【思考】
頑張りすぎてしまう。いつか悪いことが起こるんじゃないか?
自分が幸福であってはならない。あえて不幸になることを引き寄せる。
自分だけ幸せにならない方がいい。苦労が絶えない方が安心。
【解決策】
親が可哀想という思い込み→自分が望んで苦労してただけ。
不遇の不幸ではなく、親は選択する機会もあったがあえてそうしていた。

〇ドMノイズ
【特徴】
何かを得るために努力は当たり前。結果が出ないと「努力が足りない」。
【思考】
努力が目的になる。空回りして努力が無駄に困ったら努力→不毛。
人に認められやすいので思考停止→努力中毒。
キツイものに打ち込む姿勢が美徳と思い込む。
【解決策】
夢中になれるものを探す。努力の感覚は不要。

ノイズを理解したら、前述のキャンセル法の出番です。
1分でできる10のノイズキャンセルエクササイズ
・「STOP(やめること)リスト」
・テレビの「ながら見」禁止
・インナーチャウチャウ犬
・自分実況中継
・自分司令官
・絶好調ラベル
・水洗メンタル法
・やめてみる10秒瞑想
・オセロ式メンタル反転法
・ぺこぱ風セルフツッコミ

タイトルだけじゃ想像しにくいと思いますが、「こんなこと?」って一瞬躊躇しそうな内容
もあるけどド真面目に向き合ってみると案外効果的
かも。

「これノイズなんだ」が分かればこの方法じゃなくても対策できるので、先ずはそこから!
ノイズを知ることで行動が変わります^^

【一番刺さったのはココ!】

人は壮大な勘違いの中で生きている

前述の通り、人の行動や思考は9割が無意識。
無意識でも『何に注意を払うか』という意識は働いていて、知らぬ間に偏りが起きる。
カラーバス効果じゃないけど、意識したものから思考が作られていくんですよね。

自分の世界観から、人は思考し言葉を発しています。
他人から見た自分と自分が思っている自分には一定以上の違いがあるもの。

結局人は主観の中でしか物事を判断できないし、その中でしか生きていないんですね。
過去の経験なんて他人からは全く判らないのに、自分はその経験からくる判断をしてい
るんだから、簡単に分かり合えなくて当然だなって感じました。

【まとめ】

過去の体験から、無意識の自己防衛として生まれたノイズ。

自分はどうだろう?って考えてみました。

僕は1~2歳ぐらいの頃に両親が離婚。
母親と一緒に出て行ったので父親の顔も覚えていません。

保育園から小学1年生まで母親と姉の三人で田舎の小さなアパートで貧乏暮らし。
小児喘息も患っていたので、母親にはとても苦労をかけた思いが強かった。

小学2年生の頃に、母が再婚。
義父は、最初とても優しくて頼もしい人だったけれど、気の強い母親と合わずに暴力を
奮うようになってしまい、僕が6年生の頃に夜逃げ。

そこから近くに住んでいた祖父母の家に転がり込んで、そこからずっと母子家庭でした。
中学1年生でタバコを覚え、つるむ仲間は優等生ではなくなった。

そんな中、姉の出来心で芸能界に片足を踏み入れる経験もしましたw
ろくに勉強もしてなかったことがたたって高校は私立の有名バカ学校しか受からず。

当時の収入で学費払う余裕なんて全然なかったのに、本当に迷惑だったと思います。
そんな後ろめたさもあって、高校からアルバイトをはじめ、修学旅行の学費などは日雇い
の土木作業員に飛び込んだりしながら自分で用立てました。
※今思えば親に渡してたから僕の貯金に回ってただけなのかも。。。

高校が信じられないぐらいバカ学校だったのでテストは簡単に点が取れて、まじめに毎日
通っていたことから大学は夜間学部で推薦がもらえました。

奨学金をもらいながら、残りは自分でまたアルバイトして稼ぎながら無事卒業。
社会人になってからは、いくつかの職を出たり入ったりするうちに、営業職で顧客に騙さ
れて借金を個人で負うことに。

先輩に誘われて入った会社は守ってくれなかったんですね(笑)
消費者金融5~7社から借金して多重債務状態。
新聞配達しながら日勤のアルバイトで借金返すみたいな生活を何年も続けて何とか返す。

そんな感じで今の会社と生活に行きついた感じでしたね。

こうやって並べてみると、苦しんでる状況の親を何とか助けようとか、自分で作った借金
を返すのに必死な幼少~青年時代だったんだなぁと。

本書で言うところの
『ちゃんとしなきゃノイズ』
・人に頼るのが苦手
・簡単に助けを求められない
・迷惑をかけてはいけないと思い込む
バッチリこれが働いてることがわかりましたね。

解決策は、
・ちゃんとしてる自分しか認めてくれない人と距離を取る
・どれぐらい迷惑かけても大丈夫かリサーチしてみる
だそうです(笑)

確かに、ちゃんと出来ない自分に対して腹を立てたり失望することがよくあります。
そういう意味では自分も自己肯定感が高い方じゃないんだろうなと。

本書が一番伝えたいことは、無理に上手くなろうとか改善しなきゃとかじゃなく、
そのままの自分を認めてあげることで楽になるよってこと。

自分のことを、「ダメだな」「許せない」とかって感情が働くのは全部ノイズが悪さして
いて、その事に気付くだけでも全然違う。

自分を許せなくても、周りから見れば全く分からないんです。
他人には気にならない部分で自分だけが苦しんでいる状況がほとんどで、実はそんな感情
に勝手に振り回されているだけなんです。

本書を読むことで、心にかかったモヤの正体を突き止めて、もう恐れなくてもいい、自分
のありのままを受け入れて良いんだという事に気付きましょう♪

【あとがき】

書評17弾の本書でしたが、何故かブログにアウトプットするのがしんどかった。
20週ぐらい連続でアップしてきたけど、初めて連載ストップしました。

モチベーションが落ちたのか、テーマが自分に合致しすぎて言葉にできなかったのか。
理由はどうあれ、少し休むことで気持ち新たにまた書き始める事が出来ました!

今回も表を挿入したかったけどまたしても挫折(笑)
なかなかスキルの成長が見られませんな。。。

今回は部下をペルソナに置いて読み書きしましたが、対象はどうやら自分でしたw
でも、更新できずに挫折した自分を認めることが出来たので、本書を読んでて良かった
と思いました♪

今後も出来る範囲でアウトプットを続けていこうと思います!
それではまた次回お会いしましょう^^

【著者について】
著者:山根 洋士
経歴:1970年、大阪府出身。30代に独立。社会的成功を求めて自己啓発に1000万円以上を投入。
社会的成功を収めるも、過労で死にかけた経験から「生きるとは?」に疑問を持ちカウンセラーに。
著書:「自己肯定感低めの人」が幸せになるワークブック
   仕事関係からプライベートまでスッキリ! 「自己肯定感低めの人」の人づきあい読本 (大和出版)

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Posted by 7korobi8oki